メンヘラが生きるための日記

便所の落書きなので読まなくていいです。

742日目 親の役割って…

祖母と話していて弟の話になった。コンビニのバイトを始めたというのは聞いていた。すごい。頑張ってほしいと思う(掲載の許可は本人に取っています)。

だが、母親の方は早速「バイトじゃなくてちゃんとした職に就け」とうるさく言っているらしい。自分はもうとっくに親元から家出していて母親とは関わっていないから、久しぶりにとても腹立たしい気持ちになった。というか、今更親のことでムカつくなんて思っていなかった。

親として子供がきちんと自立してほしいというのは至極もっともな願いだ。だが、子供が毎日どんな気持ちで暮らしているのか、どんな困難を抱えているのか、理解しないまま理想を押し付けるのは害でしかない。

弟を残して家出することになったとき、心配じゃなかったと言えば嘘になる。だが弟は親から可愛がられているからまあ大丈夫だろうと楽観的になっていたのもまた事実。結果として自分が受けたのと同じことをされている。

当然だが血の繋がりがあろうと他人なのだから、弟は別にそんなことをされても平気なのかもしれない。真っ向からそれは違うと歯向かってしまう私と違って、母親のヒステリーも上手にかわしていたから。

なのでこれはあくまで自分が感じたことだ。自分の場合は高校卒業前から疲れ切っていて、就職も進学もする気力がなかった。どうしてかは思い出せない。ただ慢性的に疲れていて、誰も理解者がいなかった。

卒業してからはニートになった。父親がバイトの求人票を持ってきてくれたりするけど何もする気になれなかった。それでも母親が少し機嫌が悪くなればその話題ばかりで気が滅入ってしまっていたので、仕方なくバイトを始めた。無論上手くいかなかったけれど。

始めたばかりの頃から母親は頑張ってねなんて一言も言わなかった。早く結婚するか正社員になれ、ただし民間じゃダメだ、公務員や看護師など安定して働けるところにしろと。

公務員の試験ももちろん受けた。でも当時はもうコミュニケーション能力が重視されていて、もともと内気なうえにうつ状態の私は当然ながら受からない。看護師や薬剤師なんて大学に行かなきゃいけないし、学費は出してくれないと言うし、もう何もしたくなかった。

今も抑うつ状態は続いているものの、環境が変わったのでこうして振り返ることができる。だが勇気を出して家出していなかったら、きっと今頃自分は死んでいた。

車の免許もそうだ。私の友人達は私のポンコツぶりを知っているので、免許を取ったところで運転はできないだろうとわかっている。客観的に見てもそうだし、自分自身あの一歩間違えばどうなるかわからない巨大な鉄のかたまりのなかで的確な判断ができるようになるとは到底思えない。

だが親は、祖母でさえ、車の免許を取れとうるさい。免許を取るのもタダじゃない。お金を使って受からないものに挑戦するほど馬鹿じゃない。仮に免許を取れたとして、それはただの便利な身分証明書にしかならないだろう。車の購入費、維持費は? 事故って仮にも人を死なせたら? 総合的に考えて、自分のような者が免許を取るデメリットはメリットを大きく上回ると思う。

もちろん祖母にもそういうことだからあまり言わないでほしいと伝えたが、「でも男の子だし……」と。今の時代男女関係あるのか。いやこの辺は私が社会を知らなさすぎるからかもしれないが(いまだにオートマ限定煽りとかあるみたいだし)。

祖母のような人には当たり前にできることだからわからないのだろう。確かに自分だってやってみれば意外とできるのかもしれないが、やはりいつか事故を起こすという確信じみた直感は強くあるのだ。

親の役割は自分の理想や世間体を子供に押し付けることではない。子供の抱える苦しみにすら気が付かない人間など、ただの害悪でしかない。そして、成人しているのなら尚更、そんな未熟な人間にしがみつく理由もない。

子供が直面している困難を理解しようとし、複数の選択肢を提案するのが寄り添うものとしての正しい在り方だろう。知識というアドバンテージがあるのだから、それを提供して見えるものを増やしてあげるべきだと思う。それができないなら、せめて邪魔をしないことだ。

ここまで親というものをけなしておいて何だが、まあ親も結局は一人の人間で、親自身も見えていないことが多いのかもしれない。車なら東京のような交通網が発達しており一箇所に集まっているところであればなくとも生活はできる(それでもあったら便利だなと思うことは確かに多いが)。しかし東京に行ったことがないから、親はそっちの暮らしなんて想像できず、無理だと決めつけてしまうのだろう。

そんな人間のもとに産まれてしまった私達は不運であるが、それはしょうがない。自分の力で、あるいは他人の知識に頼って選択肢を増やしていくしかない。今はインターネットやSNSという力強い味方がいるので、情報は手に入りやすい。

まあそれすら妨害してくるのが毒親というもので、私達は気力を削られながら毒親の干渉を跳ね除けなければいけないのだから、普通に育ってきた人間より苦労することは確実で、本当に理不尽だと思う。

しかし味方はそこかしこにいる。自分もまだまだ未熟だし何も知らないし困難だらけであるが、それを忘れないようにしていきたい。